ワードプレス(WordPress)のプラグインをページ毎に読み込む、読み込まないを制御することができるプラグインPlugin Load Filterを解説します。
- Plugin Load Filterの使い方と設定方法がわかります
Plugin Load Filterで実現できること
WordPressのプラグインは全ページで有効化しているプラグインのプログラムを全て読込む仕様になっているため無駄が多く、ブログサイトのページ表示の速度の低下の原因になっています。
例えば、コンタクトフォームを作成する「Contact Form 7」やHTMLサイトマップを作成する「PS Auto Sitemap」は、それらのコードを埋め込んだ固定ページでしかプラグインを読み込んで使用されません。なぜならそれらのプラグインのプログラムは固定ページ上でしか使われないし必要がないからです。
つまり投稿ページやトップページなどでは、コンタクトフォームやHMTLサイトマップ用プラグインのプログラムの読み込みは必要ないですが、実際にはすべてのプラグインのプログラムを読み込むため、処理が重くなってしまい、ページの表示速度が遅くなってしまうわけです。
そのような無駄なプラグインを読み込まない設定にできるプラグインがPlugin Load Filterです。
プラグインの読み込み制御は3つの選択肢がある
Plugin Load Filterを使ってプラグインの読み込みページ毎に制御する方法は下記の3つの設定フィルターを施して実現します。
- すべてのページで読込む
読込む読み込まないの制御をしない設定です - 管理者画面(ダッシュボード)でしか読み込まない
- ページ毎に個別に細かく制御する設定
この③のページ毎に細かく設定する方法でカスタマイズが可能です。
例えば、PC環境ではプラグインを有効化して、スマホ環境では無効化するといった設定も可能です。
そして、ブログサイトのトップページではプラグインを有効化するけど、投稿ページでは同じプラグインを無効化することもできます。
プラグイン毎の仕様が非公開なので判断がつかないことことがある
「Plugin Load Filter」を使う上で難しい点は、プラグイン毎に仕様が非公開なので、適当に読み込み制御を設定してしまうと、プラグインによってはまったく機能しなくなる可能性があることです。
XML Sitemapsは全てのページで読込ませる
たとえば、「XML Sitemaps」は「Plugin Load Filter」を使って制御してはいけない筆頭に挙げられる代表的なプラグインです。
とくに「XML Sitemaps」は制御しても良かったのかダメだったのかの判断に非常に時間が掛かる点がやっかいです。なぜならGoogleにインデックスされるのは元々時間が必要なので即日確認できないからです。
他にもインデックススピードが速くなると噂される「WebSub」も類似のプラグインと考えられるので制御していはいけないプラグインです。
このように「Plugin Load Filter」で制御しても大丈夫か否かはマニュアルがありません。マイナーなプラグインだとGoogleでも情報が乏しく判断がつかないこともあります。
有効無効の判断ができないプラグインは無効にしないのが無難です
Plugin Load Filterのインストール方法
Plugin Load FilterプラグインをWordPressにインストールする方法を解説します。
- WordPressのダッシュボード(管理者画面)の「プラグイン」をクリックします
- 「新規追加」をクリックします
- 検索ボックスに”Plugin Load Filter”と入力すると下に検索結果が表示されます
- ”Plugin Load Filter”の「今すぐインストール」ボタンをクリックします
↑Plugin Load Filterのインストールが完了すると有効化ボタンが表示されるのでクリックします。
これでPlugin Load Filterのインストールと有効化が完了しました。
Plugin Load Filterの使い方
Plugin Load Filterをインストールして有効化しただけではすべての設定は完了しておらず、すべてのプラグインは読み込まれる設定になった状態のままです。
設定方法を解説します。
↑Plugin Load Filterの設定画面に入るにはWoredPressのダッシュボード(管理者画面)の「Plugin Load Filter」をクリックします。
Plugin Load Filterの設定
↑左側にはWoredPressにインストールされて有効化されているプラグインが表示されています。無効化されているプラグインは表示されません。
プラグインロードフィルター設定画面には下記の2つのタブがあります。
2段階の設定になっています。
- フィルター登録
- Page Type 有効プラグイン登録
先に①のフィルター登録を実施した後に②のPage Type 有効プラグイン登録に進む流れになります。
①フィルター登録
先ずはフィルター登録画面で各プラグインを下記の3つのフィルターから選択します。
- Normal
制御をしないで全てのページで有効化(読み込み)する設定フィルター - Admin Type
管理者用ページでのみ有効化する設定フィルター - Page Type
ページの種類毎や様々なタイプごとに指定できる設定フィルター
隣の 「Page Type 有効プラグイン登録」タグで別途設定します
初期設定では全てのプラグインはNormalになっています。
この初期設定のままだとPlugin Load Filterを導入した意味がないので、各々のプラグインをAdmin TypeまたはPage Typeに割り振って無駄な読み込みをしない設定にしていきます。
チェックマークを入れて設定をした後は必ず、最下段にあるフィルター登録ボタンを押して設定を保存してください
②Page Type 有効プラグイン登録
フィルター登録画面で全てのプラグインを登録したら、Page Type 有効プラグイン登録を実施します。
フィルター登録画面にはPage Type に設定したプラグインがすべて表示されています。
まずはデスクトップまたはスマホで有効化するか無効化するかの設定ができます。
- Desktop:PC環境でプラグインを有効にする場合はチェックマークを入れます
- Mobile:スマホ環境で有効にする場合はチェックマークを入れます
次にどのページで有効化するかを選択します。
- Home:トップページ
- Archive:アーカイブページ
- Search:検索結果ページ
- Attach:添付ページ
- Page:固定ページ
- Post:投稿ページ
有効にするとはプラグインをその環境で読み込ませるという意味です。
複数選択することができます。
ほとんど使わないので無視してOKな項目
フィルター登録画面の下記の項目は使う機会が無いので無視してOKです。
- image:投稿フォーマット image
- gallery:投稿フォーマット gallery
- video:投稿フォーマット video
- audio:投稿フォーマット audio
- aside:投稿フォーマット aside
- status:投稿フォーマット status
- quote:投稿フォーマット quote
- link:投稿フォーマット link
- chat:投稿フォーマット chat
- Enbed Content:WordPress埋め込みコンテンツカード(API)
- cta:カスタムポスト
これらの中で実際に利用していない投稿フォーマットは①フィルター登録画面の下の行にあるチェックマークを入れて設定を保存すると非表示にすることができます
チェックマークを入れて設定をした後は必ず、最下段にある有効化プラグイン登録ボタンを押して設定を保存してください
プラグイン毎の実際の設定
Plugin Load Filterの効果を最大に発揮できるプラグインは固定ページに記述して利用するタイプのものです。
固定ページでしか利用しないプラグインの設定方法
固定ページでしか使わないプラグインの設定方法が最も複雑なので詳しく解説します。
固定ページでしか使わないプラグインとは例えば、次のプラグインです。
- Contact Form 7 (コンタクトフォーム生成プラグイン)
- PS Auto Sitemap (HTML生成プラグイン)
このタイプのプラグインは先ず①フィルター登録ではPage Typeにします。
次に②Page Type 有効プラグイン登録では、どこにもチェックマークを入れません。
最下段にある有効化プラグイン登録ボタンを押して設定を保存します。
実際の設定状態は前項の②Page Type 有効プラグイン登録に載せた写真とまったく同じになるので参考にしてください。
次に、固定ページのお問い合わせを開いて編集画面を表示します。
固定ページのお問い合わせの編集画面右側にあるPlugin Load Filterの項目を下記のように設定します。
- シングルページ用プラグインフィルタ:使用する
- Contact Form7 DesktopとMobileの両方にチェックマークを入れます
- 保存ボタンを押します
Webブラウザに保存されましたと表示されるのでOKボタンを押します。
以上でContact Form 7の設定は完了です。
PS Auto Sitemapの設定も②で選択するプラグインが違うだけで他はまったく同じ流れになります。
Plugin Load Filterが有効になっていることを確認
Plugin Load Filterの設定がきちんと有効になっているのかを確認する方法を解説します。
動作の確認はWoredPressに管理者でログインしている必要があります。
確認したいページを表示させた状態で、WoredPressの管理者用のヘッダー内にあるPLFというアイコンをクリックします。
↑上の[Activate Plugins]が有効いなっているプラグインで下の[Deactivate Plugins]は無効になっているプラグインです。
Plugin Load Filterの注意点
前述したように「Plugin Load Filter」を使う上での注意点は、「XML Sitemaps」のように特定のページでしか有効化しない設定にしてしまうと、本来のプラグインの役割を阻害してしまい、まったく機能しなくなるプラグインが存在するのを見極める点にあります。
管理者画面でしか使わないようバックアップ用のプラグインは比較的判断は簡単ですが、
キャッシュやコード最適化等の表示速度に影響を及ぼすプラグインは投稿ページやトップページでは必ず有効化しないと意味がありません。
このように各プラグイン毎の役割に応じて臨機応変に設定をしてあげないと使いこなせないことが「Plugin Load Filter」プラグインの利用の敷居を高めている一番の要因です。
まとめ
Plugin Load Filterを導入して各プラグインの役割に応じて適切に設定できるとブログサイトの表示速度を向上することが可能です。
とはいえ、劇的に改善する訳ではないので過信は禁物です。
労力がかかる割にはあまりパフォーマンスは改善しません。
表示速度を検証できる「PageSpeed Insights」で検証しましたが、なんと、ほとんど変わらないとう結果になってしまいました。微差しかパフォーマンスは向上しませんでした。
もちろん、利用しているテーマやプラグイン、レンタルサーバーの性能によってパフォーマンスの上り幅は違うのでケースバイケースになると思います。
なので、モバイルの表示速度の低下で困っているような状況でなければ、劇的に効果があるプラグインではないので見送っても良いと思います。
Plugin Load FilterよりもAutoptimizeとAsync JavaScriptプラグインの組み合わのほうがモバイルの表示速度が10%~20%向上しました。
コード最適化プラグイン「Autoptimize」とJavaScript非同期/遅延プラグイン「Async JavaScript」の設定方法はこちらの記事を参考にしてください↓
Autoptimize コードを最適化して高速化するプラグイン 設定方法と使い方
Async JavaScript 非同期・延期プラグインの設定方法と使い方