ワードプレス(WordPress)のブログサイトのページ表示速度の向上が期待できるプラグイン「W3 Total Cache」を解説します。
- W3 Total Cacheの使い方と設定方法がわかります
W3 Total Cacheで実現できること
ブログ・サイトのページデータを、利用者側からの要求アクセスがある度にWordPressと連携しているデータベースからデータを取り出してページを生成して出力していると処理工程数が多くなるので、表示速度が遅くなります。
そこでページの生成データをキャッシュ化し予め蓄えて置くことで、表示速度の高速化に貢献してくれるのが「W3 Total Cache」プラグインです。
他のキャッシュプラグインと「W3 Total Cache」の違いは、細かいカスタマイズとキャッシュを生成できる種類がデーターベースなど多岐に及ぶため高機能な点です。
エックスサーバーなどの一般向けの共有レンタルサーバではW3 Total Cacheの機能をフルに発揮できないため、導入すると逆にパフォーマンスが低下します。
さらに設定項目に専門用語が多いので、ある程度の知識がない場合は使いこなすのは難しいです。
W3 Total Cacheのインストール方法
W3 Total CacheプラグインをWordPressにインストールする方法を解説します。
- WordPressのダッシュボード(管理者画面)の「プラグイン」をクリックします
- 「新規追加」をクリックします
- 検索ボックスに”W3 Total Cache”と入力すると下に検索結果が表示されます
- ”W3 Total Cache”の「今すぐインストール」ボタンをクリックします
↑W3 Total Cacheのインストールが完了すると有効化ボタンが表示されるのでクリックします。
これでW3 Total Cacheのインストールと有効化が完了しました。
W3 Total Cacheの使い方
W3 Total Cacheをインストールして有効化した状態でも一部の機能は既に有効になっています。性能をフルに発揮するためには追加で設定を調整する必要があります。
当記事の設定項目を参考に調整しながら環境に合わせて設定を詰めていく作業が必要です。
設定を変更する前にWoredPress全体のバックアップを取得することをおすすめします。
イチオシのバックアップ用プラグインは「BackWPup」です。
「BackWPup」の使い方と設定方法はこちらの記事を参照してください↓
BackWPup バックアッププラグインの設定方法と使い方
ここからはW3 Total Cacheの設定方法を解説します。
↑W3 Total Cacheの設定画面に入るにはWoredPressのダッシュボード(管理者画面)の「設定」内の「W3 Total Cache」をクリックします。
W3 Total Cache 設定
W3 Total Cacheの設定項目19個ありますが、主に使うのは下記の5つの設定項目です。
- 一般設定
- ページキャッシュ
- 圧縮
- データベースキャッシュ
- ブラウザーキャッシュ
①~⑤の順番で設定の変更方法を解説していきます。
①一般設定
↑ページキャッシュの有効化にチェックマークを入れて、すべての設定を保存ボタンを押します。
↑データページキャッシュ、オブジェクトキャッシュ、ブラウザーキャッシュの有効化にチェックマークを入れて、各々の項目内にあるすべての設定を保存ボタンを押します。
②ページキャッシュ
↑上図の項目のとおりにチェックマークを入れてすべての設定を保存ボタンを押します。
各項目のオンとオフはパフォーマンスを計測して適宜調整します。
もし表示に不具合などが発生した場合はオフにしてください。
↑ページキャッシュを自動に事前準備するにチェックマークを入れ、すべての設定を保存ボタンを押します。
③圧縮
↑上図の項目のとおりにチェックマークを入れてすべての設定を保存ボタンを押します。
各項目のオンとオフはパフォーマンスを計測して適宜調整します。
もし表示に不具合などが発生した場合はオフにしてください。
④データベースキャッシュ
↑ログインユーザーのクエリをキャッシュしないでくださいにチェックマークを入れてすべての設定を保存ボタンを押します。
⑤ブラウザーキャッシュ
↑上図の項目のとおりにチェックマークを入れてすべての設定を保存ボタンを押します。
各項目のオンとオフはパフォーマンスを計測して適宜調整します。
もし表示に不具合などが発生した場合はオフにしてください。
W3 Total Cacheの効果
W3 Total Cacheを導入する前と後でどの程度表示速度が向上したのか、効果を測定してみました。
W3 Total Cacheのページ表示速度向上の効果を測定する場合は、「PageSpeed Insights」という表示速度検証サイトを利用します
PC環境
実際に測定した結果、W3 Total Cacheを導入したほうがPC環境のパフォーマンスは少し低下しました。
スマホ環境
W3 Total Cache導入後のほうが約20%ほどパフォーマンスが低下しました。
これらは測定した環境がエックスサーバーの共有レンタルサーバを利用しているので、メモリーやSSD、CPU等のハードウェアのリソースを最大限利用出来なかったためです。
W3 Total Cacheは全ての環境で有益とはならない点に注意してください。
まとめ
W3 Total Cacheは高機能で多彩なキャッシュ設定ができる反面、導入するための敷居が高く、おまけに使用しているレンタルサーバの性能によってはパフォーマンスが改善するどころか悪くなるため、気軽に利用できない点が最大のデメリットです。
どちらかというと専用サーバ環境などのサーバリソースを最大限に発揮できる環境でないと導入するメリットはまったくないどころか、逆にマイナスになってしまいます。
さらに設定項目が細かくWebの知識がないと太刀打ちできない点も導入への大きな壁になっています
以上の理由からW3 Total Cacheは上級者向け、かつ専用サーバー向けなので個人ブログ向け用のプラグインではないので注意してください。
なのでブログサイトには極力導入しないことをおすすめします。
より設定が簡単で気軽に導入できる「WP Super Cache」を導入したほうが良いです。
「WP Super Cache」の詳しい解説はこちらの記事を参考にしてください↓
WP Super Cache ページ表示速度高速化キャッシュプラグイン 設定方法と使い方
スマホ環境の表示速度改善はコード最適化プラグイン「Autoptimize」とJavaScript非同期/遅延プラグイン「Async JavaScript」の組み合わせの方が効果があります。
設定方法等はこちらの記事を参考にしてください↓
Autoptimize コードを最適化して高速化するプラグイン 設定方法と使い方
Async JavaScript 非同期・延期プラグインの設定方法と使い方
Hyper Cache ページ表示速度高速化キャッシュプラグイン 設定方法と使い方
Comet Cacher ページ表示速度高速化キャッシュプラグイン 設定方法と使い方
Cache Enabler ページ表示速度高速化キャッシュプラグイン 設定方法と使い方
WP Fastest Cache ページ表示速度高速化キャッシュプラグイン 設定方法と使い方
Flying Scripts by WP Speed Matters スクリプトの実行を遅らせページ表示速度を高速化するプラグイン 設定方法と使い方