ワードプレス(WordPress)のリビジョンを削除したりデータベースを最適化してくれるプラグイン WP-Optimizeの設定方法と使い方を詳しく解説します。
- WP-Optimizeの全機能の詳細とインストール方法がわかります
- リビジョン削除とデータベース最適化の実行と自動化の設定方法がわかります
当記事の内容はすべて無料版の WP-Optimize についての情報です。
WP-Optimizeで実現できること
WP-Optimizeを使うと投稿ページや固定ページの修正履歴であるリビジョンを一括削除できます。
それ以外にもWordPressが使っているMySQLというデータベースの最適化をしてくれるので、性能の低下を防止することができます。
他にも多くの機能があります。
WP-Optimizeの機能
WP-Optimizeプラグイン1つで下記のようなことが実現できます。
- データベースのクリーニング
不要なデータを消去し、テーブルをクリーンアップして、データの断片化で失っていた容量を回復 - 画像圧縮
画像を圧縮して、ページの読み込みを大幅に高速化
- キャッシュ機能
ページをキャッシュして、投稿をさらに高速化 - Minify (縮小機能)
HTML、CSS、JavaScriptファイルを圧縮
これらは独立した機能です。WP-Optimizeは4つのプラグインが1つのプラグインに入っているのと同じです。
なので、4つのバラバラのプラグインを入れるよりもWP-Optimize1つにしたほうが管理は楽になります。
記事の文字データを保存しているデータベースの最適化を実施した後に、データが読み込めない等の不具合が起きる可能性はゼロではあません。なので必ずブログ・サイト全体バックアップを取得してからデータベースの最適化を実施しましょう。
WP-Optimizeと同じ会社が開発しているバックアップ用プラグインの「UpdraftPlus」を詳しく解説している記事はこちらです↓
UpdraftPlus バックアッププラグインの設定方法と使い方
類似のおすすめバックアッププラグインの詳細記事はこちらです↓
BackWPup バックアッププラグインの設定方法と使い方
WP-Optimizeの機能は高度で専門用語が多いのでそれぞれについて詳細に解説します。
データベースのクリーニング
データーベースのクリーニング(最適化)は乱雑に格納されたデータを並び替えて整理することでWordPressとMySQL間のデータのインプットとアウトプットの性能の低下を防止する効果があります。
WP-Optimizeのデータベースの性能改善に関する機能は下記の12個です。
- データベーステーブルの最適化
MySQLデータベースの負荷を改善する機能 - すべての投稿リビジョンをクリーン
全記事の修正履歴を一括削除する機能 - すべての自動下書き投稿をクリーンアップ
自動下書き保存のバックアップデータを削除する機能 - すべてのゴミ箱内の投稿をクリーンアップ
ゴミ箱に入っている投稿を一括削除する機能
- スパムとゴミ箱のコメントを削除する
スパム判定されたコメントとゴミ箱に入っているコメントを削除 - 未承認コメントの削除
記事内の未承認のコメントデータを削除 - !期限切れの transient オプションを削除
古い一時ファイルのデータを削除 - !ピンバックの削除
記事内の外部リンクからリンク先に送信されるデータを削除 - !トラックバックの削除
トラックバック機能の送受信データを削除 - !投稿メタデータのクリーン
利用されていない投稿の投稿ID、作成者、タグ、公開日、更新日等を削除
- !コメントメタデータのクリーン
投稿記事のコメント欄のデータを削除
- !孤立したデータのクリーン
利用されていないデータを削除
頭に!マークが付いている項目はデータを破損する可能性が高いので出来るだけ実行するのは避けたほうが無難です。
自動でデータベース最適化とリビジョンを削除する方法にジャンプする場合はここをクリックしてください、
画像圧縮
画像ファイルを圧縮するとページ表示速度の向上とサーバーのディスク容量の節約の効果があります。
注意点として画像圧縮機能のオンにした後に追加された画像ファイルは自動的に圧縮されますが、以前からある画像ファイルは自動的に圧縮されません。
WP-Optimizeの画像を圧縮画面から1枚毎や、全て纏めて画像を圧縮することは可能です。
- 新しく追加された画像を自動的に圧縮する
この機能を有効化した後に追加された画像を自動的に圧縮する - 画像のダッシュボードメディアページに圧縮メタボックスを表示
メディアライブラリの画像1枚単位で圧縮できる機能を追加できる
画像圧縮機能に関してはも他の画像圧縮専用プラグインと競合するので、どちらか片方だけを有効にするようにしてください。他の画像ファイル圧縮専用プラグインを利用する場合はWP-Optimizeの画像圧縮機能はオフにすることをおすすめします。
キャッシュ機能
キャッシュはサーバーからデータを取り出さずに過去のデータを参照させることで表示速度の高速化とWebサーバの負荷を軽減する効果があります。
- ページキャッシュ
PCとスマホ(モバイル)でキャッシュを別けることができます - 先読み(プリロード)
予めキャッシュを作成してそれを参照させる機能
キャッシュ機能には更新頻度の多いブログ・サイトでは利用者側に更新前のページが表示される可能性が発生するデメリットもあります。
「WP Fastest cache」や「WP-Rocket」などの他のページキャッシュ用プラグインと競合が起きて画面表示に不具合が起きる可能性があるので、必ずどちらか一方のプラグインを無効化してください。またはWP-Optimizeのキャッシュ機能をオフにしてください。
Minify (縮小機能)
HTMLやCSS、JavaScriptの改行や字下げコードを圧縮することで表示スピードが改善する効果があります。
- 圧縮を有効化
以降の機能は本機能を有効化時のみ設定可能 - HTMLを処理します(キャッシュのプリロード時にのみ機能します)
HTMLファイルのサイズを縮小
- JavaScriptファイルを処理する
JavaScriptファイルのサイズを縮小
- CSSファイルを処理
CSSファイルのサイズを縮小
データベースの最適化で性能は向上しない
注意しないといけないのはデータベースの性能が上がるわけではなく、あくまでもデータベースの最適化を実施して性能低下を防ぐことができるだけという点です。
なぜならデータベースは文字データーを保存しているプログラムなので、性能向上を図るにはデーターベースの構造そのものを改善しないといけないからです。つまりあくまでもWP-Optimizeを使った最適化はデーターベースの上に搭載されているテーブルというデータの入れものの中身(データ)を取り出しやすくしてくれるだけです。
例えば、表計算ソフトのエクセルも簡易的なデータベースなのですが、表の中身が理路整然と並んでいないと中のデータをピックアップすることが難しいのと同じです。つまりWordPressのデータベース(MySQL)のデータが入った入れもの中身を大きな値の順番に並び替えたり整理(最適化)してWordPressのプログラムがデータを取り出しやすくしているのです。
データベースの最適化で性能は向上しません。データの並び順等を改善して性能低下を防止するだけです
保存数の上限を設けることができるので、WordPressの各種データを保存しているデータベース容量の肥大化を防ぐことができます。その結果、データの送受信速度の低下を防止することができます。
つまりブログ・サイトの表示速度などのレスポンスの低下防止につながります。
さらにレンタルサーバーのディスク容量の節約になります。
リビジョンの仕組みと問題点
WordPressのリビジョン機能とは投稿ページ(記事)や固定ページの修正履歴のことです。
固定ページや投稿を修正すると修正履歴としてリビジョンが自動的に保存される仕組みになっています。
前述しましたがリビジョン機能の問題点はプラグインを導入して機能を実装しないと保持数の上限が設定できないためデータベースが肥大化してパフォーマンス低下の原因になる点です。
リビジョンの仕組みや問題点に関する詳細はこちらの記事を参照してください↓
WordPressのリビジョンとは?記事の修正履歴 仕組みと問題点
WP-Optimizeのインストール方法
WP-OptimizeプラグインをWordpressにインストールする手順を解説します。
↑WordPressのダッシュボード(管理者画面)のプラグインの新規追加をクリックします。
- 検索ボックスに”WP-Optimizeと入力すると下に検索結果が表示されます
- ”WP-Optimize”の今すぐインストール”ボタンをクリックします
↑WP-Optimizeのインストールが完了すると有効化ボタンが表示されるのでクリックします。
これでWP-Optimizeのインストールと有効化が完了しました。
次は設定をしていきます。
WP-Optimizeの使い方と設定方法
WP-Optimizeをインストールして有効化しただけでは全ての機能は有効になっていません。各機能を個別に有効化する必要があります。
それぞれの機能の有効化と実行する方法を解説します。
↑WordPressのダッシュボード(管理者画面)の「WP-Optimize」の中の「データベース」をクリックします。または「WP-Optimize」のすべての画面の一番上にメニュー一覧が表示されているのでそこから各機能の設定画面に切り替えることができます。
データベースの最適化とリビジョンの削除をする方法
WP-Optimizeでリビジョンを削除するのとデータベースの最適化は同じ画面から実施します。
手動で各機能を実行する方法と、実行頻度を指定して自動化する方法があります。
データベース最適化とリビジョン削除を自動化する方法
データベースの設定タブを表示します。
- 「常に保つ2ポストリビジョン」にチェックマークを入れてオンにします
- 「スケジュールされたクリーンアップと最適化を有効にする」にチェックマークを入れてオンにします
- 任意の項目にチェックマークを入れてオンにします
- 「設定を保存」ボタンをクリックします
「常に保つ2ポストリビジョン」を有効にしないと「すべての投稿リビジョンをクリーン」を実行したときに全ての記事の全てのリビジョン(変更履歴)が削除されてしまいます。
おすすめの値は2~5です。
「スケジュールされたクリーンアップと最適化を有効にする」にチェックマークを入れることで自動化されます。
その下の「スケジュールタイプを選択」から自動実行の頻度を下記の4種類から選択できます。
- 毎日
- 毎週
- 2週間毎
- 毎月(約30日毎)
おすすめの頻度は初期設定の毎週です。
自動実行したい機能を選択します。
ここに表示されている項目は後述する最適化タブにあるのと同じ機能です。
各機能の詳細は前項の”データベースのクリーニング”に載せています。
各機能の詳細が載っている見出しにジャンプするにはここをクリックしてくさい。
手動でデータベース最適化とリビジョンを削除する方法
データベースの最適化タブを表示します。
- 「データベースの最適化」と「すべての投稿リビジョンをクリーン」にチェックマークが入っていることを確認します。先頭に!マークが付いていない項目はすべてONのままでOKです
- 「選択した全ての最適化を実行する」ボタンをクリックします
最適化に掛かる時間はデータベースの状態によって前後します。
↑このように最適化実施の状況は各項目の表示メッセージで確認できます。
まとめ
4つの機能が1つのプラグインに入っているWP-Optimizeは非常に多機能で使いこなすのは少々大変ですが、必要最低限の機能を使うだけの場合の設定は簡単なので気楽に導入することができます。
人気のあるプラグインなのでアップデート(更新)の頻度も高いのでセキュリティの面でも安心できます。
ただし、データベースの中にアクセスして状態の改善をするプラグインなので実行する前にバックアップを取得することをおすすめします。なぜならデータベースの最適化を実施後にブログ・サイトの表示に不具合が発生する可能性は低いですがゼロではないからです。
もしデータベースの最適化だけの機能で十分な場合は「Optimize Database after Deleting Revisions」という類似のプラグインもあります。
そして積もり貯まっているリビジョン(更新履歴)の削除が目的の場合はリビジョン削除と上限数を設定できる「WP Revisions Control」や「Revision Control」というプラグインもあります。
「Revision Control」は長期間アップデートされておらずセキュリティ面で不安があるので「WP Revisions Control」のほうがおすすめです。
リビジョン削除と上限数を設定できるプラグインの「WP Revisions Control」の使い方と設定方法はこちらの記事を参照してください↓
WP Revisions Control記事のリビジョン数制限プラグインの使い方と設定方法